
「隠れ糖尿病」は健康診断でも見つかりにくい
糖尿病は、突然になるのではなく、何年もかけて徐々に血糖値が上がっていきます。
初期では、症状がないことも多いので、自分でも気づきにくかったり、健康診断では食前の血糖値を検査するのに対して、糖尿病の初期である「隠れ糖尿病」は食後の血糖値が正常値より高くなり始めている状態なので見逃されてしまいます。
食後の血糖値が正常値よりも高くなるというのは、糖尿病の発症リスクが高まっている予兆です。
しかし、いざ健康診断で指摘されてからでは、空腹時の血糖値が高くなる段階まで糖尿病がかなり進行してしまっているということなので、遅いのです。
ですので、たとえ健康診断で異常がなかったとしても安心はできません。
健康な人でも危険な「血糖値スパイク」
正常な血糖値は、一日中ゆるやかに上下します。
ところが、食後に血糖値が正常値を超えて急上昇してしまう場合があります。
それが「血糖値スパイク(食後高血糖)」です。
この「血糖値スパイク」がやっかいなのは、急上昇が短時間なので発見されにくいところです。
たとえ健康診断で良好でも、食後1~2時間の血糖値が140mg/dLを超えるような場合は糖尿病予備軍として注意が必要だといわれています。
血糖値の極端な急上昇によって、細胞を傷つける有害物質である活性酸素が大量に発生します。
血管がダメージを受けると、免疫細胞がそれを修復しようとして壁を厚くしていくので内側が狭くなってしまい動脈硬化などの血管の疾患のリスクが高まってしまいます。
また、大量のインスリンの分泌で膵臓に負担もかかります。
そして、その過剰に分泌されたインスリンによって、今度は血糖値が急降下して低血糖に陥ってしまい、頭痛や吐き気、無気力、倦怠感などが引き起こされます。
このような血糖値の乱高下は自律神経も乱してしまいます。
血糖値を急上昇させない食事を習慣にすることは、とても大切なのです。
糖質のみの食事を避けて、食物繊維を一緒に摂る
白米や小麦粉は、精製過程で食物繊維が取り除かれてしまっています。
食物繊維とタンパク質も一緒に摂ることを意識して、おにぎり、ラーメン、パスタ、パンだけなど、糖質のみの食事をなるべくしないように気をつけましょう。
白米や小麦粉を、玄米や全粒粉に置き換えることも食物繊維の摂取につながります。
食物繊維は、善玉菌のエサでもあるので、しっかり摂ることで腸内環境も整いやすくなります。
食べる順番を工夫する
糖質が多い炭水化物を口に入れる前に、汁物や食物繊維が多い大豆や野菜、きのこ、海藻などから先に食べることで、糖質の吸収をゆるやかにして、食後の急激な血糖値の上昇を抑えてくれます。
特に、長時間の空腹後は血糖値スパイクが起こりやすいので、野菜を多めに摂ったり食べる順番を工夫することを心がけましょう。