
英語上達のカギは、頭の中のイメージを文章に変換する力です。
日本語では無意識にそれができています。
自分が伝えたい言葉を瞬時に引き出せるようになる秘訣が「英語日記を毎日書く」です。
なぜ英語日記が英語上達には必要で効果的なのか
著者のMamiさんは日本生まれ、日本育ち、留学経験なしであるにもかかわらず完璧なバイリンガルです。
そんなMamiさんが英語学習者へのアドバイスとして、英語の習得に必要なスキルは4つあるといいます。
それは、「聞く」「話す」「読む」「書く」です。
これらはそれぞれ別物で、これら4つをすべてまんべんなくカバーする必要があります。
ところが、日本の英語教材では「読む」「聞く」に重点を置いてあるものが多いです。
また、英語に触れあう機会として、映画、洋楽、洋書などは身の回りにはたくさんありますが、どれも「読む」「聞く」です。
「話す」「書く」も必須4スキルに含まれているのに、日本人の英語学習者がこの2つに使う時間は圧倒的に少ないです。
言語はコミュニケーションの手段です。
相手が何を言っているのかを分かるだけでなく、自分が言いたいことをその言語で伝えられるようになる必要があります。
語学を習得する過程で「読む」「聞く」は相手の言っていることを理解する能力を伸ばし、「話す」「書く」は自分が言いたいことを相手に伝える能力を伸ばします。
どちらが欠けてもコミュニケーションはうまくいきません。
この伝える能力はコミュニケーションにおいて必須なのです。
では、日本に住みながらこの伝える能力を伸ばすためにはどうしたらいいのか?
それが、英語日記なのです。
日本語で日記を書く時もそうですが、自分の頭の中にある自分の言いたいことを、それに該当する単語や言い回しにあてはめるという作業を伴います。
英語日記は、頭の中のイメージを文章へ変換する際に、英語を使うので、無意識に英単語や適切な英語の文法や言い回しを思い出しながら頻繁に使うようになります。
その作業を繰り返すことで、伝えたい漠然としたものを、瞬時に文章に組み立てて言いたいこととして表現できるようになるのです。
これは、会話をするときにも、当然その力を発揮できます。
英語を話せるようになるためには、教科書に載ってるフレーズではなく、自分が本当に言いたいオリジナルのフレーズが瞬時に頭に浮かんでくる必要があります。
それには、まさに英語で日記を書くことが最適なのです。
英語日記をぜひ今日から始めてみましょう。
Today is the day!
『MY JOURNAL/Mami著』の特徴

難しい文法用語が一切ない
本書は、いきなり日記スペースから始まるのではなく、最初に文章の作り方を説明してくれています。
例えば、時制は、現在完了形や過去完了進行形などの文法から考えるのではなく、「言いたいこと」を先に考えてから、それに当てはめるというシンプルで分かりやすい方法で教えてくれます。
そして、言いたいことを英語にするためには必ず頭に入れておきたい「~できる」「~したい」「~かなあ」「自分だったら~」などの必須表現を覚えられます。
また、「hear」と「listen」の違いなど、混乱しやすい動詞の使い分けの説明も参考になります。
他にも、五感の表し方やニュアンスの違い、good以外の言い方など便利な表現が満載です。
自分が使える語彙が増えて、表現の幅をあらかじめ広げておくことができるので、同じ表現を何度も使い回さなくてすむし、細かいニュアンスも伝えられるようになります。
飽きない工夫がいっぱい
本書では、DAY1~day100まで100日分のページが設けられています。
まずは100日続けることが目標です。
DAY1~day100までそれぞれのすべてのページに手書きのおしゃれなイラストが入っているので、毎日新鮮な気分で楽しく続けられます。
そして、ところどころに英語で激励のメッセージがあるのでやる気も湧いてきます。
楽しいから続けられる

英語日記を書くための本ですが、使い方は自由です。
今日起きたこと、雑記、映画や本の感想、旅行記など、英語を使って文章を書く際に決まりはありません。
書きたいことを自由に書いていいんです。
その上で、著者直伝の上達のコツが3つあります。
1、楽しむこと!
2、新しく覚えた単語を意識して使う
3、言い換える技術を身につける
出典:MY JOURNAL
楽しくなければ続きません。
少しでもいいので英語に毎日触れて、英語そのものを楽しむことが大事です。
- こんな意味の英単語があるんだ!
- お気に入りの本を英語原文で読んでみたい!
- この日本語のニュアンスは、こっちの英語フレーズの方が合うな
- この英語表現かっこいい!
- よく聞くこの洋楽の歌詞の意味を知りたい!
- 洋書が部屋にあるとおしゃれ
- 字幕なしでハリウッド映画を見たい!
- 旅行先で外国の人と英語で楽しく会話をしたい!
など何でもいいので、英語を大好きになることです。
母国語である日本語を習得した最初のモチベーションは、「お母さんが言っていることをわかりたい」という強いものから始まり、「テレビを理解したい」「幼稚園の友達とおしゃべりしたい」など目の前の目標ではなかったでしょうか。漠然と「日本語を話せるようになりたい」というよりは、日本語を使ったその先の目的があったはず。
出典:MY JOURNAL
そして、なるべく新しい英単語、新しい英語フレーズを覚えて使っていくことで、自分が使える語彙はどんどん増えていき、表現できるニュアンスの幅が広がります。
もし、自分が伝えたい内容に合う英単語そのものが分からなくても、言い換えてみたり、その単語を説明する英語表現を考えたりすることで、思考停止状態にならずにすみます。
「自分が言いたいこと」というのは本来抽象的なもので、それを言語に落としこんでいるだけ。日本語にとらわれすぎたり、無理やり日本語から直訳しようとせず、自分がなにを伝えたいのかを思い出して、ニュアンスで言い換えられれば、同じ語彙数でも言えることは何倍にも増えます。
出典:MY JOURNAL
Apple Podcast内「バイリンガルニュース」のMamiさんの著書
バイリンガルニュースは、iTunesのPodcastで配信されている人気の英語学習コンテンツです。
MamiさんとMichaelさんの二人で運営しており、番組内容は主に二人が選ぶ論文や最近のニュースが題材です。
一つのニュースをMamiさんは日本語で、Michaelさんは英語で読み上げて、そのあと二人が日本語と英語を自由に入れ混ぜながらバイリンガル形式で会話をしていきます。
ですので、英語が分からなくても、日本語で話される箇所をヒントにして、会話全体の内容を推測できるのが特徴です。
取り扱う題材が論文や最近のニュースなので英語の勉強だけでなく世界のトレンドにも強くなれます。
テーマは虫の話題から宇宙の最新情報まで多岐にわたるので自分の世界が広がります。
レベル別の日記サンプル
日記の例文が6つ用意されています。
それぞれの例文は初級のゴール、中級のゴール、上級のゴールという区分が設けられているので、自分のレベルに合わせてこのくらいの内容まで書けるようにしていこうという目安になります。
書くことがない時のための質問集
日記って何を書いたらいいのか分からないという人のために、著者からの質問集があります。
全部で75個の質問があるので、困ったときは、この質問に英語で答えていくという使い方もできます。