疲れやアレルギーの発症など、体調不良を感じた時に、病院で検査をしても何が原因か分からない場合があります。
そんな原因不明の体調不良のひとつに、悪玉菌など有害物質が体に悪さをしている場合があります。
それはリーキーガット症候群という腸の疾患から引き起こされているかもしれません。
腸は、食べものから体に必要な栄養素を吸収し、有害物質を体内に取り込まないようにバリアをしています。
通常は、体に必要なものだけを吸収するはずの腸で異変がおきます。
腸の壁に大きな穴があくことにより、悪玉菌などの有害物質が血管に漏れ出してしまうことがあるのです。
そこで、
- リーキーガット症候群とは?
- 腸から有害物質が血管の中に漏れ出たらどんな症状がでる?
- 腸に大きな穴をあけないための対策
についてお伝えします。
リーキーガット症候群とは?
「リーキー」の意味は、漏れる。
「ガット」の意味は、腸。
つまり、リーキーガット症候群という疾患は、
“原理としては腸内細菌の働きや炎症等により小腸の壁に分子レベルの小さな隙間が発生することで、本来血管内に取り込まれることはない異物(菌・ウイルス・たんぱく質等)が血液内に漏れ出すことにより様々な症状を発生させる原因となる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
とされています。
また、リーキーガット症候群は、腸管壁浸漏症候群(ちょうかんへきしんろうしょうこうぐん)と呼ぶこともあります。
では、なぜ悪玉菌など有害物質が腸の壁をすり抜けて血管の中に漏れ出てしまうのか?
腸に大きな穴があいて有害物質が体内へ漏れ出す!
私たちは、食べることで、生きるために必要な栄養を体内に取り込みます。
食べたものは胃から腸へすすみ、腸では食べものから必要な栄養を取りだして体に吸収します。
その際に、腸の壁が正常に機能していると、体に必要な栄養だけを取り込み、体に有害なものは通さないようにしてくれます。
しかし、腸の壁に炎症が起こり、うまく機能しなくなると、体に有害なものが通れるほどの穴が開いてしまうのです。
それによって、悪玉菌などの有害物質が腸の壁をすり抜けて血管の中に入り込み、全身に運ばれてしまい悪さをするのです。
有害物質が体内へ入ると、どんな症状がでる?
本来は腸から排泄に向かうはずの有害物質が、腸の壁を通り抜けて血液中に漏れ出すと、様々な症状を引き起こす可能性があるといわれています。
たとえば、
- 原因不明の体調不良(微熱、不眠など)
- アレルギー
- 慢性疲労
- 肥満
- 免疫力低下
- 精神疾患
などが、リーキーガット症候群によるものかもしれないのです。
腸から血液中に漏れ出た有害物質に対する防御反応がアレルギーにつながったり、漏れ出た有害物質の処理で肝臓や腎臓などに余計な負担がかかるので疲労につながったりしているのかもしれません。
リーキーガット症候群にならないための対策方法

では、リーキーガット症候群にならないために、どんな対策をしていけばいいのでしょうか?
善玉菌を増やして、腸の壁のバリア機能を高める
腸のバリア機能を高めるといわれているのが、短鎖脂肪酸です。
短鎖脂肪酸が不足すると、腸のバリア機能が低下してしまい、有害物質の侵入をくい止められなくなります。
その短鎖脂肪酸は、善玉菌が食物繊維を消化することでつくられます。
ですので、善玉菌も食物繊維も両方とも大事です。
食生活の中でどちらもしっかり取り入れ、腸内環境のバランスを整えていく必要があります。
腸内環境のバランスを整えるためには、
をぜひご覧ください。
しっかり噛んで食べることで、消化しやすいようにする
胃や腸で消化されなかった未消化物質は、便として体から出ていきます。
しかし、腸の壁の穴が大きくなることで、本来ならば通らないはずの未消化物質が腸の壁を通り抜けて血管に入ってきてしまうのです。
このような未消化物質に対しても、体は敵とみなして免疫細胞が攻撃をします。
すると、本来は敵でないものにアレルギー反応などを起こして過剰に力を使うので、本当の敵である細菌やウイルスに対しての攻撃力が弱ってしまう可能性があります。
しっかり噛んで食べることで、胃や腸でしっかり消化できるように私たちが自分の体を気遣っていきましょう。
食品添加物などの有害物質を取る量を減らす
腸のバリア機能は、食品添加物などの有害物質から私たちを守ってくれています。
しかし、腸のバリア機能に頼る前に、私たちにできることがあります。
有害物質そのものをなるべく食べないように心がけることが大切です。
そもそも食品添加物などの有害物質を摂取する量を減らすことで、血液中に漏れ出てしまうリスクをおさえていくことも重要です。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
リーキーガット症候群という言葉はあまり聞き慣れないかもしれませんが、原理を知ると、長引く体調不良の原因のひとつかもしれないと納得できます。
この記事のポイントは、
- リーキーガット症候群は、腸のバリア機能が低下して有害物質を吸収してしまう
- 腸から有害物質が血管の中に漏れ出ると、原因不明の体調不良になりやすい
- 腸に大きな穴をあけないためには、食生活に気をつける
でした。
日頃から、胃や腸だけでなく、肝臓や腎臓などの体中のあらゆる臓器をいたわるような食生活を心がけていきたいですね。