
酸化ストレスとは?
私たちは、呼吸によって空気中の酸素を体内に取り入れます。
取り込まれた酸素は、活性酸素となり免疫機能や感染防御機能といった重要な働きをします。
また、アポトーシスや細胞間のシグナル伝達などの生理活性物質としての役割も担っています。
ですので、活性酸素は、私たちが生きていく上での大切な要素となっています。
ところが、この活性酸素の量が過剰になってしまうと、体に悪影響を及ぼす要因となります。
体を活性酸素から守るための防御機能が体内には備わっていますが、活性酸素の量の方が防御できる量を上回った状態を「酸化ストレス」といいます。
活性酸素が過剰に増えてしまう原因として、
- 大気汚染
- 排気ガス
- タバコ
- 激しい運動
- 紫外線
- 多量飲酒
- ストレス
- 食品添加物
- 化学物質
- 酸化した油脂
などがあげられます。
活性酸素は、老化や病気につながりやすくなるばかりでなく、疲労の原因の一つでもあるともいわれています。
酸化ストレスを減らす「抗酸化作用」
活性酸素による酸化をおさえて体の中を錆びつかせないように守ることを「抗酸化作用」といいます。
抗酸化作用として、
- 抗酸化酵素などによる体内の抗酸化システム
- 食品などから摂取した抗酸化物質による消去
があります。
酵素の働きによる抗酸化の能力は年を重ねるにつれて低下してしまいます。
過剰に生成された活性酸素は体内にたまってしまい、より毒性が強いものになっていきます。
そこで、抗酸化物質を食べ物から摂取することでも活性酸素から体を守っていく必要があります。
抗酸化物質は、酸化されやすい物質なので、抗酸化物質自身が優先的に酸化してくれることにより私たちの体を酸化から守ってくれるのです。
抗酸化作用のある「酵素」
活性酸素から体を守るための体内にある抗酸化システムとして、抗酸化酵素による防御機能があります。
体内の代表的な抗酸化酵素としてスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)があげられます。
このSODの主成分はタンパク質です。
タンパク質が不足すると、SODも不足してしまいます。
そして、タンパク質はアミノ酸からできていますが、必須アミノ酸は体内で作ることができません。
ですので、必須アミノ酸は、食品から摂取する必要があります。
卵や鶏肉、木綿豆腐など、良質なタンパク質をバランスよく摂取していきましょう。
また、酵素が最も働きやすい体温は37.0℃といわれています。
体温が低い状態では酵素の働きも低下しますので、体を温めることも大切です。
「抗酸化物質」とは?
抗酸化物質とは、私たちの体から活性酸素を取り除いてくれて、酸化の働きを抑えてくれる物質のことです。
- ビタミンA
- ビタミンC
- ビタミンE
- コエンザイムQ10(青魚、ハマチ、肉類、ブロッコリー)
- カカオポリフェノール(ココア、チョコレート)
- ショウガオール(生姜)
- 硫黄化合物(たまねぎ、にんにく、ねぎ、にら、らっきょう)
- βーカロテン(かぼちゃ、にんじん)
- リコピン(とまと)
- ケルセチン(たまねぎ)
- ルテイン(緑黄色野菜)
- アスタキサンチン(えび、鮭)
- タンニン(お茶、紅茶、コーヒー)
- カテキン(緑茶)
- ルチン(そば、アスパラガス、ナス、トマト、ほうれん草)
- アントシアニン(黒ゴマ、黒豆茶、 ブルーベリー、レーズン )
- イソフラボン(大豆)
- オレウロペイン(オリーブオイル)
- クロロゲン酸(コーヒー、 ごぼう、プルーン )
- クルクミン(うこん)
- セサミン(ごま)
などがあり、野菜や果物にたくさん含まれています。
緑黄色野菜をたっぷり使ったサラダ、スープ、野菜炒め、煮物などで免疫力を高めていきましょう。