漆黒の静寂中、遥か遠くの方で
真っ黒なキャンバスにぼうっと紅色が灯る
やがて空一面に光があふれ出し
ライトアップされた雲はパステルオレンジ色に光りだす
目を覚ました小鳥たちはさえずって空の展覧会の開催を告げてくれる
昼の主役は雲
うろこ雲、わた雲、ひつじ雲、いわし雲、入道雲・・・
毎日違う雲の絵が描かれる
そうかと思えば、うっかり雲を書き忘れている日もある
そんな日は、ただただ真っ青な空の清々しさに人々の心は躍る
今日の空のキャンバスは何色に染まるんだろう
勿忘草色(わすれなぐさいろ)、天色(あまいろ)、瓶覗色(かめのぞきいろ)、白藍色(しらあいいろ)・・・
ときに、飛行機や鳥たちも空の展覧会に参加して絵にアクセントをつける
絵の額縁を彩る葉っぱの緑色と空の水色の鮮やかなコントラストも見逃せない
夜の主役は星と月
星たちが一斉に煌めき始め、月はおぼろげに浮かび上がるとその存在感を際立たせる
その美しさに酔いしれた虫たちが夜空の展覧会の開催を告げてくれる
この空の展覧会は、毎日開かれていて観覧無料だ
