過去の原因は「解説」にはなっても「解決」にはならないだろう
アルフレッド・アドラー
起きた過去は変わらないので、どんなに過去の原因から「今の行動」を説明しても、なんの解決にもなりません。
解決への道筋は、未来の目的からつくる「今の行動」です。
すべての行動には 目的がある
アルフレッド・アドラー
過去の原因が理由で、その行動をしているように見えても、実際はそうではありません。
そうしたい目的があるから、その行動をしているのです。
人間の「欲」や「恐怖」がその行動をさせます。
- 相手を威圧したい
- 何かから逃げたい
- 相手より優位に立ちたい
- 衝動を我慢できない etc.
それなのに、過去の原因を理由にするのは、「何かのせいにしたい」という気持ちです。
人は自分の「欲」や「恐怖」からくる行動を、過去の原因からくる行動に説明をすり替えることで「自分が不本意な行動をしているのは、過去の経験が理由だから仕方がないんだ」と、自分自身を納得させて安心したいという気持ちが働きます。
しかし、そうしている限り、本当に望む未来は永遠にやってきません。
過去の記憶や経験に基づいて 作り上げられた「思い込み」は、無意識に目的をつくりだして体に「反応」を起こします。
過去の原因に基づいて「無意識につくられた目的」による反応は、受動的な行動です。
一方、未来の予期に基づいて「意識的につくった目的」から起こす行動は、能動的な行動です。
主体的に 行動するには、変わらない過去の記憶から 目的をつくるのではなく、いくらでも自由に思い描ける未来の予期から 目的をつくる必要があります。
未来の予期からつくられる目的は、過去のネガティブな影響を受けません。
あるとすれば、同じ過去を繰り返さないという「教訓」であり、ポジティブな影響です。
過去の問題を「解決」できるのは、望む未来を目的にした行動です。
望む未来を思い描くことによって「主体的な目的」をつくり、行動を起こしていくことで、自分の人生を自由自在にコントロールできるのです。
今の行動が 未来をつくるというよりは、自分が思い描いている未来によって 今の行動がつくられているともいえます。