この感謝の隠れたメッセージは、相手に伝わるときに、「信頼感」や「安心感」として届きます。
それは、自分が誰かから感謝される立場になったときに、どう感じるかで分かります。
感謝してくれた相手に対して、「敵意はないんだな」「安心できるな」と無意識に感じ取ります。
たとえば、ずっと苦手だと思っていた人から、何かのきっかけで「あなたのおかげで助かったよ、ありがとう」と言われたら、心のバリアが解かれ、急に親近感が湧くときがあります。
「私の存在がこの人の中に受け入れられてるんだ」「私のことを分かってくれてるんだ」と、嬉しくなるからです。
そして、自分のことを感謝してくれた人に、「この人は私のことをきちんと理解して認めてくれている」という信頼感が増します。
ということは、自分が誰かに感謝をするときも、相手は同じような「安心感」や「信頼感」を得やすいのではないかと思います。
誰かに感謝をするということは、
① 自分は “ 相手を受け入れる ”
② 相手にとっても “ 自分が受け入れられてる ” と感じる
という心理作用から、自分にとっても相手にとっても抵抗感が和らぎ、お互いの信頼感が増します。
これは、まだ知り合ったばかりで関係の浅い人や、苦手な人に感謝をするときほど、有効です。
自分の中で、相手に対する心のバリアが一つ取れて、信頼関係が一歩でも前に進むからです。
もちろん、子供やパートナーなどに対しても、感謝をすることで、「受け入れているよ」「認めているよ」という無意識のメッセージが伝わり、信頼関係が深まるだけでなく、相手にとっても「承認されている」という安心感から相手自身の自己肯定感も高まります。
感謝は「気づきの能力」であり、ときに「素直さや謙虚さを必要とする勇気」です。
「ありがたさ」を見つけるための観察力を磨いて、感謝に秘められた力を大切にしていきたいなと日々感じています。