例えば、相手が時間通りに来るかどうかは、相手次第であり、自分にはコントロールできません。
それなのに、時間通りに来ることがあたりまえだと思っていると、相手が遅れることで、自分がソワソワしたりイライラしてしまいます。
イライラしている対象は、相手ではなく、「思い通りになっていない状況」です。
期待が裏切られていることに対して、不快に感じているのです。
自分が「コントロールできないことに期待していること」が、イライラの原因です。
なので、最初から相手に対して、自分の思い通りに動いてくれることを「期待しない」ことです。
最初から、相手が時間通りに来ても遅れて来ても、どちらでもいいように「一歩その先」のことまで考えておくのです。
つまり、バスや電車と同じように、コントロールできないということを前提に考えて「自分を動かす」のです。
例えば、あらかじめ時間に余裕を持たせておいたり、待ち時間のためにお気に入りの本をバッグに忍ばせておいたり、好きな曲をいつでも聞けるようにイヤホンを常備しておきます。
もしくは、待ち合わせ場所がカフェなら、置いてある本や雑誌の中から、普段は読まないようなジャンルのものを手に取ってみたり、そもそも待ち合わせ場所を本屋さんにしておくなど、時間を有効活用するために自分が動くことならいくらでもできます。
そう考えておくことで、「一歩その先」まで予定しておいた自分にとっては、相手が遅れたとしても「ある意味、予定通り」で、期待は裏切られていないことになります。
すると、遅れてきた相手を責める気持ちも湧きませんし、自分にとって意味のある時間が過ごせたことに満足しています。
もちろん、そのあとも相手との時間を楽しむことができます。
「相手」という自分がコントロールできないことに期待すると、いざ、そうならなかったときに、自分がイライラしてしまいます。
だけど、「自分」ならコントロールできます。
相手が「どんな動き」をしてもいいように、あらかじめいろいろなパターンを考えておいて、自分が柔軟に動くことで、心を広く穏やかに保っていられます。