もし、行動を阻むものがあるとしたら、それは「ネガティブな意味づけ」です。
何かをやる前に、その先に待っている「ポジティブな目的」も一緒にイメージすることで、気持ちがそちらの方に向くので、スムーズに行動にとりかかれます。
例えば、お皿洗いが苦手な場合・・・
「お皿洗いをしなきゃ」だけを思うと、義務感の方に気持ちが向いているので、「こんなにあるのか」「面倒だな」「あとにしようかな」というネガティブな感情が多くなります。
そこで、「お皿洗いのポジティブな目的」もセットでイメージします。
- 早く汚れを落とした方が、衛生的だ
- 汚れた食器が積みあがったシンクより、何もないピカピカのシンクを見る方が気持ちいい
- おいしくごはんを食べられたことに対する、食器へのお礼
など。
「そのためにお皿洗いをするんだ」と思うことで、意識は、お皿洗いの「先」にある「ポジティブな状態」に向いているので、行動を抑制する感情に囚われずにすみます。
人間は、無意識だと、本能的にネガティブな方へ引き寄せられてしまいます。
ニュースや新聞でも意識が向きやすいのは、やはりそのような内容です。
狩猟採集時代からの生存本能なので、ネガティブになって当然です。
だからこそ、意志という理性によって、意識をポジティブな方向へもっていくことで、ネガティブもポジティブも、両方の「いいとこどり」をしながら、うまくバランスをとれるようになっています。
手帳やToDoリストで予定されている作業は、たとえどんなに面倒なことでも、必ずその先には何かしらの「ポジティブな目的」があるはずなので、
- 掃除をする → 部屋を埃のないピカピカな状態にして気持ちよく感じるため
- 毎日運動をする → 筋肉は使わないと弱る一方。何歳になっても旅行や散歩を楽しみたいから
- 約束の10分前に到着する → 時間にも気持ちにも「余裕」をもたせるため
など、「作業自体」に意識をフォーカスするのではなく、その作業の「先にある目的」を探して、そちらに意識をフォーカスしていきます。
その作業自体に、ネガティブな意味づけが多いほど、その作業自体に感じる面倒さの方に気持ちが向いてしまいますが、ポジティブな意味づけが多くなると、不思議なことに気分はまるで変わってきます。
同じ「やること」なのに、意味づけを変えるだけで、向いていた「気持ちの方向が変わる」からです。
無理やりポジティブになるのではなく、ネガティブもポジティブも両方とも大切なので、自分の気持ちを確認しながら「バランスをとっていく」ことを心がけたいなと思っています。