ただ、計画を立てるだけだと、それに満足してしまって、絵に描いた餅で終わってしまう可能性が高くなります。
計画づくりは、ゴールまでに必要な作業量をリストアップしただけであって、それを「自分が行動に移せるかどうか」は、別問題だからです。
ダイエットや、夏休みの宿題、資格の勉強などが、その典型です。
計画を立てる段階では「よし、やるぞ!」と意気込んで、やる気にみなぎっています。
日々のやるべきことを書き出して、立派な計画表ができあがりました。
最初の数日間は、意気揚々と、計画通りにこなしていきます。
ところが、数日たつと、食べたい欲、遊びたい欲、日々のなんだかんだが優先されて、やるべきことは後回しになり、「明日からやろう」と、どんどん先延ばしになっていきやすいのです。
大事なのは、「計画づくり」のあとの、行動を継続できる “ 仕組みづくり ”。
つまり、自分が行動を継続できる「仕組みづくり」とは、「計画づくり」ではありません。
「この行動を、定着させるためにはどうしたらいいのか?」に、ひたすら試行錯誤を繰り返します。
- 優先順位を意識して、行動の「順番」を変えてみたり
- トリガーやご褒美を用意してみたり
- 手順を細分化して、できる限りスモールステップにしてみたり
- 空き時間をつくるために、「何をやめるか」を決めたり
- 行動の「記録」をつけることで、成果を視覚化していったり
- 「したい」と感じるまで「意味付け」を増やしていったり
- 紙に目標を書いて貼ってみたり
- 気が散るものは視界に入らないように押し入れにしまったり
- 「とりあえず手を動かす」ことで体にエンジンがかかるという、脳の作業興奮を使ってみたり
- 「これの前には、必ずこれをする」という「行動セット」をつくっていったり
と、工夫しながら、自分の行動が続く仕組みを考えていきます。
そして、自分に合う仕組みになるように、“ やりながら調整していく ” のです。
なぜ、“ やりながら ” なのかというと、「定着しているのかどうか」は、やっていないと分からないからです。
そして、「頭で分かっていること」と「実際にできる」ことは違うからです。
たとえば、車の運転でいうと、どんなに教科書を読んで座学で学んでも、実際に運転できるようにはなりません。
できるようになるためには、実際にやってみて、体で感覚を覚えていく方法以外はありません。
体で分かる、つまり、腑に落ちるような、肌感覚で分かるには、絶対に「体に覚えさせる」という経験が必要だからです。
やりながら繰り返していくうちに、体がその行動に慣れていき、車の運転のように、気づいたらできるようになっていきます。
思い返すと、夏休みの宿題はいつもギリギリになって慌てて取り組んでいました。
夏休みの初日に、立派な計画表が出来上がっているにもかかわらず、毎年同じことの繰り返しです。
それがなぜなのか、いつも不思議に思っていました。
その理由が、その立派な計画表だと思っていたものは全作業量をただ日割りにしただけの単なるリストアップにすぎなくて、そのあとの行動に落とし込むまでの仕組みを考えていなかったことに、今更ながら気づきました。