学校では、誰かが立てた問いに対して、いかに正しい答えに辿り着くかということを徹底されてきました。
テストの問題を解いたり、授業であてられて正しい答えを言うなど、誰かに問いを投げかけられてから初めて考えるという流れに慣れてしまっています。
なので、物事には正しいやり方や正解があると思い込んだり、みんなと違うやり方を避けて、失敗や間違えることを恐れたりします。
そして、誰かが立てた問いの答えを考えることが「考えるということ」だと思いがちです。
たしかに、それも脳を使って考えてはいますが、それでは誰も問いを投げてくれなかったらずっと自分で考えるということをしないので、自分一人では「何を考えたらいいのか分からない」ということになってしまいます。
すると、社会に出ても誰かが指示をしてくれなかったら動けなかったり、誰かが言ったことを鵜呑みにしたり、マニュアルがたとえ非効率なやり方であったとしても自分で効率のいい方法を考えようとせずに言われた通りにしか行動できません。
「自分の頭で考える」習慣
- 日ごろから固定観念や常識とされていることでも疑問をもつ
- 五感で感じたことを文章にするにはどの言葉が合うのか、頭の中の漠然としたイメージを言語化するにはどの言葉が適切かを考えて紙に書く
- 物事に対して不思議に思ったり驚いたりする気持ちを忘れない
- いつもしている作業が本当に必要か、もっと効率のいい方法はないのか
- 自分で課題を見つけて、解決するプロセスを考える
など、自分の中に生まれる「問い」を大切にするようにします。
思考の幅を広げるためには、本やテレビで分からない言葉が出てきたら意味や使い方をすぐ調べるなど、ボキャブラリーを増やすことも有効です。
使える語彙が増えることで、自分の中に新しい概念が増えます。
すると、感性が高まって、物事をより頭の中で整理して捉えられるようになるので、より適切な言葉で表現できるようになります。
思考停止しない方法
- 多数派が正しいとは限らないので、集団の意見を鵜呑みにせずに自ら仮説検証をして自分の意見をもつ
- ニュースや物事をみんなが見ている一つの側面だけで考えるのではなく、起きた背景や利害関係を考えたり、様々な人の立場で多角的に考えるようにする
- 人や環境のせいにしたり愚痴や不満ばかり言うことは過去に引っ張られており、現状は何も変わらない上に解決策や改善策を「考えない」ということなので、「これからどうしていくか」という未来に意識を向ける
- 流行りものだから安心と流されるのではなく、なぜそれがいいのか自分で説明できるものを身につける
など、「流されない習慣」をつくっていくようにします。
本当の意味で「自分の頭で考える」とは
『自ら問いを作り出す』
そして、
『自ら仮説検証をしていく』
ことだと思います。
脳は、問いを投げかけられると、無意識に考え始める習性があります。
その「問い」を、誰かが作ってくれるまで待つのか、それとも、自分で作るのか。