支払いに追われ続ける「ラットレース」の人生から抜け出すために必要な知識と考え方や、成功者に共通する思考回路を教えてくれるのが『金持ち父さん貧乏父さん ロバート・キヨサキ/著』です。
すでに一度読んだことがあるという方も多いと思いますが、たとえ同じ本であったとしても何かを意識しながら読むと、また違う情報が入ってきます。
この記事では、「ラットレースの人生から抜け出す」ために
・貧乏父さんの思い込みが自分にもあるとしたら?
・成功者たちに共通する「思考」とは?
・人間は欲望と恐怖によって動かされていることを知る
・「学ぶ」ことの重要性
・何のために働いているのかを考える
・あなたが買ったものは、資産?負債?この違いがとても重要
・お金に働いてもらうには?
・ラットレースにおちいらない!!
という流れで、本の内容を要約しながら、ゆっくり復習していきたいと思います。
貧乏父さんの思い込みが、自分にもあるか確認するために読む
まずは、貧乏父さんの典型的な思い込みと同じものが自分にもあるかないかを確認します。
- 働かないとお金を稼げない
- 一生懸命勉強して、いい大学に行って、いい会社に入って高い給料をもらう
- 立派なマイホームはステータス
- 会社と政府が自分のめんどうをみてくれる
- 会社と政府のために働く
この考え方がよくないわけではありません。
この考え方ではお金に追われ続けてしまうのです。
なぜなら、
- 高い給料をもらえばもらうほど、社会保険料が増えて、累進課税の税率に苦しむ
- 大きな立派な家を建てるほど固定資産税や維持費に苦しむ
- 年金をもらえる年齢はどんどん上がり、もらえる金額は減っている
からです。
そして、手元に残るのは、社会保険料や税金が引かれたあとのわずかなお金です。
そのわずかなお金をローンの支払いにあて、生活費に使い、老後のための貯蓄に回します。
退職するまで、このサイクルで働き続けないと現状の生活を維持できなくなってしまうのです。
これが、いわゆるラットレースです。
成功者に共通している「思考回路」を学ぶために読む
ラットレースにおちいらないためには、何が必要か?
金持ち父さんになるのか、貧乏父さんになるのかの違いは「思考」にあります。
金持ちになるには、「金持ち思考」が必要です。
このような言葉を聞いたことはありませんか?
- 思考次第で人生が変わる
- 思考が現実を生み出している
そのくらい、今何を考えているのかが現実の人生に影響してくるのです。
では、金持ち思考をみていきます。
お金のために働かない、「お金」を自分のために働かせる
お金を軸に考えると、2つの行動パターンに分かれます。
- 自分が、お金のために働く
- お金を、自分のために働かせる
貧乏父さんは、税金の支払いやローンの返済をするために、自分が働きます。
金持ちは、収入を増やすために、お金を働かせます。
そして、会社の給料に依存せず、自分に依存します。
つまり、会社に雇われて働くのではく、自分の会社をもちます。
自分のビジネスをもつのです。
ラットレースを恐怖と感じる
欲しいものがあるのにお金がないときは、
- カードローンやキャッシング
- クレジットカードのリボ払い
- 住宅ローンやカーローン
という、負債をかかえる方法で手に入れることもできます。
しかし、その後の人生は、支払いに追われてしまいます。
支払いのために働き続けないといけないラットレースの生活から抜け出せなくなる可能性があるのです。
欲しいものを手に入れるために、自分に質問をなげかける
金持ち思考の基本は、自分の頭を使って考えることです。
自分に対して質問をなげかけることで、脳は答えを探し始めるのです。
例えば、「これを買うお金はない」と断定的に終わらせてしまっては、脳は考えるチャンスを失い、思考はストップします。
そして、脳は怠けると考えなくなって、楽な方法に依存してしまいます。
そこで、どうすればそれを買えるようになるのかを考えることで、無限の可能性が広がります。
わくわくした気分になり、夢を持てるのです。
損を恐れて避けるのではなく、損にどう対応できるかで人生は決まる
人間は、安定を好むので損や負けを恐れて避けようとします。
しかし、その思考によって、利益や勝ちが遠ざかっていくのです。
では、損をした時や負けた時はどうするのか?
敗北によってやる気を奮い立たせる者が勝者となり、敗北によって打ち負かされてしまう者が敗者となる
出典:金持ち父さん貧乏父さん
つまり、金持ち思考では損や負けがあったとしても、そこから何かを学び、それを原動力にしてしまいます。
人生で起こることすべてに意味があると考えます。
そうすれば、自分の人生は価値ある教訓に満ちあふれていることに気づきます。
人生での挫折や負けることは勝利へのパスポートでもあるのです。
勝者だけが知る勝利の秘訣と言ってよいだろう。だから彼らは負けることを恐れない。
出典:金持ち父さん貧乏父さん
批判をしない
臆病な人間は批判をし、勝利を収める人間は分析をする
出典:金持ち父さん貧乏父さん
ものごとに正解などありません。
ものごとは、見る角度によってとらえ方はまるで変わります。
それなのに、批判をするということは、一方の側面からしか見ていないことになります。
批判をしている間は、多方面からものごとを見るのをやめているのです。
それは、頭は考えることをストップしている状態なので、チャンスが目の前にあっても気づきません。
金持ち思考では、批判をしません。
その代わり、分析をします。
分析はものごとを多方面から見るので、頭は常に考えています。
そのため、チャンスも逃しません。
人は恐怖と欲望によって動かされていることを知るために読む
金持ち父さんは、どうしてこのような思考ができるのでしょうか?
それには、人間の行動の本質を知る必要があります。
人は恐怖と欲望という感情によって行動する習性があります。
まず、人はお金がないことへ恐怖を感じています。
ですので、お金のために働きます。
一方、大金を手にすると欲望の感情に反応して流されます。
欲しいものがどんどん高価になっていきます。
恐怖と欲望をコントロールできなければ、どんなに収入が増えても恐怖は消えません。
これを、貧乏父さんの行動にあてはめて考えてみましょう。
給料が上がって収入が増えたとします。
しかし、収入が増えた分の生活水準が上がり、欲も大きくなってしまいます。
すると、同時に支出も増えていくのです。
そして、増えてしまった支出の支払いと大きくなった欲を満たすためにもっと働いてお金を稼がないといけないというサイクルになってしまいます。
つまり、恐怖と欲望からは解放されないのです。
たいていの人は、自分の行動や思考を支配しているのが感情だということに気づいていない
出典:金持ち父さん貧乏父さん
恐怖や欲望という感情で行動している限り、人は追いつかないものを追いかけています。
なぜ、人はそのことに気づかないのでしょうか?
無知が恐怖と欲望を大きくする
出典:金持ち父さん貧乏父さん
その一番の根本原因は無知であるといいます。
恐怖と欲望が自分をどこへ向かわせようとしているのかを考えないで、恐怖と欲望という感情にただ反応して動いているのです。
二つの感情に引っ張られてしまわないように、恐怖と欲望が人間の考え方を支配していることを意識することが大切です。
どのように意識するのかというと、
- 感情に対してただ反応して動かされているのか
- ものごとを観察して考えて動いているのか
- 自分が感じていることに向き合う
そして、考えるのです。
感情にただ反応するのではなく、その行動が本当に問題の本質を解決するための適切な行動なのかを自分に問いかけたり考えたりする時間を持つようにします。
欲望とういう感情による行動は脳内のドーパミンによる本能ですので、上手にコントロールしていきましょう。
「学ぶという意味」を考え直すために読む
学ぶといえば、講座や授業、本などから教えてもらうことを想像するかもしれません。
しかし、自分だけの本当の先生が身近にいます。
その先生は、一般的にイメージする授業のような形では教えてくれません。
本当の先生は、私たちにわかりやすい言葉で話しかけてくれません。
待っていては、何も教えてもらうことはできません。
本当の先生は、私たちに自分で学ぶことを要求します。
いったい本当の先生とは誰なのか?
それは、「人生」です。
私たちが歩んできた人生は、成功や挫折、失敗といった方法で語りかけています。
その人生の言葉に気づかないといけません。
私たちがあたりまえのように考えていた「誰かに教えてもらう」という受け身の姿勢で教えてくれるのを待っていては、そこから何も学べません。
人生という先生が沈黙の状態で教えていることに、自分から学びを探す姿勢にあるかどうかが重要です。
人生から教訓を学ぶことができれば、きみは成功する
出典:金持ち父さん貧乏父さん
なぜ、人生から学ぶことが重要なのか?
もし、そこから何も学ばなければ、自分の身に起きた出来事や周囲の環境に文句を言い続けて一生を終えることになります。
しかし、学べば先に進んでいくことができます。
他人や環境を責めている間は、他人や環境を変えることができない限り問題は解決しないでしょう。
一方で、自分自身のモノの見方を変えることは簡単にできます。
そして、そこから何かを学べば、より賢くなって、前に進んでいけるのです。
この本の中でも、著者であるロバート少年が教えを待っている状態のときは、金持ち父さんから教わることはできませんでした。
自分から学ぶ姿勢を持つ人しか学びえないのです。
「働き方」を真剣に考えるために読む
あなたは、「働くこと」に対して何を求めていますか?
私たちは会社に対して、
- やりがい
- 職場環境
- 労働に見合う給料
- 昇給
- 充実した福利厚生
- 安定した将来
など、様々な思いを抱きます。
特に、お金に判断基準をおきがちです。
多くの人はお金の心配をして、安定した仕事につくことに力を注ぎます。
金持ち父さんの考え方は、学ぶことがすべてなので、学ぶために働きます。
私はこの名言が脳に刻まれてからは、①学びたいことをまず決めてから、②それに合う業種を決めて、③個々の会社を探す、という流れで就職活動をしていました。
『いくら稼げるか』でなはく『何を学べるか』で仕事を探しなさい
出典:金持ち父さん貧乏父さん
給料を上げるために会社が必要とする人間になるために勉強して働くのではなく、自分が学びたいことを自由に学ぶための働き方を選ぶということです。
「資産」と「負債」を常に意識できるようになるために読む
資産は私のポケットにお金を入れてくれる
負債は私のポケットからお金をとっていく
出典:金持ち父さん貧乏父さん
つまり、資産は収入を生むもの、負債は支出へつながるものをいいます。
金持ちは資産を手に入れる。中流以下の人たちは負債を手に入れ、資産だと思いこむ
出典:金持ち父さん貧乏父さん
なぜか、世の中は私たちに負債を買うように誘導してきます。
たとえば、
- 銀行は、キャンペーンをうたいながら、やたらとカードローンをすすめてきます。
- クレジットカード会社は、キャッシュバックをちらつかせて、しきりにリボ払いをすすめてきます。
- 住宅ローン減税などでバックアップして住宅ローンでマイホームを建てることを推奨します。
しかし、これらに共通していることは、すべて「負債」であるという点です。
お金の使う時に、これは資産か、負債か、と考えながら使う人は少ないでしょう。
しかし、資産と負債を考えずにいると、知らないうちに負債ばかりにお金を使っていくことになります。
そうすると、支出はどんどん増えていくので、どんなにお金を稼いでもお金に苦労します。
負債をもつことがよくない理由に、借りるという選択肢をとることで、問題が解決していまい思考がストップするので他の方法を考えなくなるのです。
金持ち父さんは、資産を増やすことに力を注ぐので収入が支出を超えていきます。
余ったお金は、また資産を増やすために使います。
だから、ますます収入が増えるというサイクルになるのです。
そして、金持ち父さんは資産から生まれる収入で贅沢品を買います。
もし、まだそこまで資産が育っていないならば待つのです。
しかし、多くの人は、欲しくなると衝動的にローンで贅沢品を買います。
ラットレースにおちいらないために、資産か負債かというものさしで考えることが大切です。
お金がお金を生み出す仕組みを考えるために読む
資産が収入を増やし、負債が支出を増やすことが分かりました。
以上のことから、お金を生み出すためには、資産を増やしていく必要があります。
では、資産をもつと、どのような収入を生み出してくれるのか?
たとえば、
- 株式投資による配当
- 債券による利子
- 不動産投資による家賃
- 印税
- 特許使用料
などがあります。
資産から生まれた収入でさらに資産を買うというサイクルで、お金からお金を生み出していきます。
ラットレースにおちいらないために読む
自分のビジネスを持つ=本当の資産を持つ
出典:金持ち父さん貧乏父さん
資産を買うことを常に意識するようにします。
そして、資産から入ってきた収入でほしいものを買うのです。
資産を増やすためには、会計や投資に関する知識と能力を高めなければいけません。
そのために、ファイナンシャルインテリジェンスを学ぶ必要があります。
ファイナンスインテリジェンスとは、
- 会計力
- 投資力
- 市場の理解力
- 法律力
です。
会計力があれば、ビジネスの基本である貸借対照表や損益計算書やキャッシュフロー計算書の仕組みを理解できます。
投資力があれば、お金がお金を生み出す仕組みや投資の持つ力、リスクやリターンなどが理解できます。
市場の理解力があれば、需要と供給の原理を理解し金融市場や不動産市場で起きる現象をとらえることでチャンスを逃しません。
法律力があれば、法律を理解して合法的に有利な方を選べるようになります。ルールを知ることで、上手な勝ち方が分かります。
そして、忘れてはいけないのが税金です。
税率や税がかけられる仕組みを学び会社をつくることで、節税できることを知ります。
まとめ
私たちは今、頭脳と時間を手にしています。
『ラットレースの人生から抜け出す』ために必要なことは
- ファイナンシャルインテリジェンスを学ぶこと
- チャンスが目の前にあることに気づけるようになること
- 問題が起きてもいろんな解決法を考えられるようになること
- お金や仕事に対する考え方を変えること
- 負債ではなく資産を買うこと
です。
それを頭脳と時間を使って考えます。
この本『金持ち父さん貧乏父さん』では、著者のロバート・キヨサキさんが金持ち父さんから30年間にわたって教わったことをまとめてくれています。
それは、絶対的なものではなく、指針として、とらえていくようにすすめています。
これらの指針をヒントとして、今一度、自分の人生の方向性を自分の頭でじっくり考える時間をもつことを大切に感じています。