イベントなしで、毎日「楽しみ」をつくるのは、結構大変です。
そんなにしょっちゅうは思いつかないし、同じことだと飽きてしまうからです。
「楽しみづくり」を習慣にするための、一番手っ取り早い方法は、一日の中に “ 必ず存在する時間 ” を「今日の楽しみ」とすることです。
例えば、晩ごはんです。
子供の頃は、晩ごはんが毎日楽しみでした。
口癖のように、「今日の晩ごはんは何?」と聞いては、一喜一憂していました。
「カレー」や「オムライス」と聞いた日には、飛び上がって喜んだり、「野菜炒め」や「焼き魚」と言われた日には、がっかりしたり。
かといって、晩ごはんのメニューが何になるかは、あたりまえですが、自分ではコントロールできません。
ところが、今では、今夜の晩ごはんのメニューの決定権は自分にあるのです。
“ 食べたいものを待つ楽しみ ” を自分でつくれるなんて、こんな嬉しいことはありません。
そこで、晩ごはんを「事前に決める」という習慣を通して、“ 明日の楽しみづくり ” をしながら、なおかつ日常を充実させるための「自己コントロール感」も鍛えていこうと思いました。
晩ごはんを「今日の楽しみ」の一つにする
まず、晩ご飯を「前日の夜」に決めることにしました。
なぜなら、翌日の一日を、朝から晩ご飯を楽しみにして過ごせるからです。
夜に、実際に食べるときも「自分が食べたいもの」なので心も体も満足します。
しかも、昨日から「決めて」いたことを「実行」するので、“ 自己コントロール感 ” が感じられるのです。
これを毎日続けるようにしています。
食べたいものを食べることの「喜び」は、何度でも味わえます。
あらかじめ、明日の晩御飯のメニューを決めるということは、栄養バランスもしっかり考えられます。
お気に入りのレシピ本を見て、あれこれと空想を巡らせながら、冷蔵庫の中身と相談して、ゆっくり決めればいいので、賞味期限切れも防げます。
また、無駄な出費も抑えられます。
それまでは、何も決めずにスーパーに行って、ぐるぐる店内を回って、安いからと大量に買ってしまったり、めったに使わないような珍しい調味料を買ってしまったりと、必要ないものにも意識が向いていました。
メニューが事前に決まっていると、必要な材料が明確なので、その売場に直行し、余計なものを買わなくなりました。
「事前に決める」という習慣から、節約につながり、お金のコントロール感も感じられます。
「誰かのため」ではなく、「自分のため」も大事
この「明日の楽しみづくり」の習慣を取り入れる前は、「誰かのために作る」という、「誰か基準」で考えていました。
役に立てているということにやりがいを感じたり、感謝されたり喜んでくれることが楽しみだったのです。
ところが、だんだんと「楽しみ」ではなく、「義務感」になっていっていることに気づきました。
どんなことでも、義務感になると、苦痛に変わります。
「誰かのため」にすることで、相手が喜んでくれるときは嬉しいですが、それは「相手の課題」なので、私にはコントロールできません。
突然の「夕飯不要」の連絡に、“ せっかく準備したのに ” と落ち込んだり、手間がかかる料理をつくった割には反応が薄くてがっかりしたり、相手の行動や反応に振り回されていました。
そもそも、料理が苦手なので、晩御飯づくりは、面倒にすら感じていました。
ところが、「誰かのためにつくる」ではなく「自分が食べたいものをつくる」ということに、意識を向けるようにしてからは、「しなきゃ」から「したい」に変わりました。
相手の行動や反応がどうであったとしても、感情を振り回されずにすみます。
そもそも自分が食べたかったものなので、晩ごはんのおいしさに自分が喜び、ご機嫌でいられます。
「誰かのため」にという意識で行動すると、その先にあるのは、「相手からの反応を期待している自分」です。
「相手のため」と言いながら、結局「自分の満足のため」になってしまっていることが多々あります。
本当に誰かのためにするのであれば、見返りを求めないということが前提でないと、「何のため」にしているのか分からなくなってしまいます。
「しなきゃ」のMUST ではなく、「したい」のWANT に意識を向ける
“ しなければならない ” と思うと、義務感が強くなり、だんだんつらくなっていきます。
一方、“ したい ” と思うと、ワクワク感が強くなり、どんどん楽しくなっていきます。
「自分が食べたいから」という衝動が、最強の原動力です。
どんなに手の込んだ料理も、自分が食べたいから、「作りたい」というWANTの気持ちになるからです。
すると、料理本を見るのも楽しくなります。
逆に「主婦たるもの、こういった料理も出来ないといけない」というMUSTの気持ちになると、苦痛以外なにものでもありません。
料理本が、学校の教科書のように退屈になります。
「自己コントロール感」をもって「自分の人生」を生きる
自分の「したい」を大切にすることは、「自分の人生」を生きることにつながります。
「しなきゃ」に追われると、主導権が自分にはありません。
“ やらされている ” という感覚になり、「何かの人生」、「誰かの人生」に振り回されてしまいます。
一日が充実するかどうかは、自分が「決めた」ことをしたかどうか。
満たされた日々を送るには、自分が「したい」ことをできているかどうか。
つまり、自分で自分をコントロールできているかどうかです。
そんな一日の積み重ねが、あとになって振り返ったときに、人生という大きな括りとなっています。
人生に自己コントロール感をもつには、自分の「したい」ことは何かを知り、自分で “ これをする ” と「決めて」、その通りに「実行」していくこと。
そのための第一歩として、
- 自分が「食べたい」ものを知り
- 明日の晩ごはんを前日に「決める」
- そして翌日に「実行する」
という、必ず毎日ある「明日の晩ごはん」という基本のサイクルを通して、
- 冷蔵庫の中のコントロール
- 栄養バランスのコントロール
- 家計のコントロール
- 感情のコントロール
など、いろんな “ 自己コントロール感 ” を感じていくことができます。
日常にある、いろんな「自己コントロール感」に気づいて、“ 自分の人生 ” を歩んでいくことを大切にしたいと感じています。