「なるほど!たしかにそうだな。」と思えた、おもしろい解釈がありました。
それが『うさぎとかめ』です。
私は、今までこの童話の教訓は、
- どんなに優勢でも油断してはいけない
- 一歩一歩、コツコツと、前に進み続けること
を、教えてくれているんだなと思っていました。
ところが、最近知った新しい解釈では、『うさぎとかめ』は、それぞれ「見ているところが違った」ということでした。
ウサギは「カメに勝つこと」を目標とし、カメは「ゴールすること」を目標としていたのです。
つまり、ウサギは「カメばかり」見ていて、カメは「ゴールだけ」を見ていたのでした。
“ 見ているものが違う ” というのは、思いもよらない視点でした。
そこで、さっそく人間にも当てはめてみます。
ウサギのように、「誰かの何か」ばかりを見ていないか?
そこから生まれるのは、比較することによる優越感や劣等感です。
カメのように、「自分の望む未来」をしっかり見れているか?
そこからは生まれるのは、「どうしたらうまくいくだろう?」という知恵と工夫です。
比較していいのは、「昨日の自分」だけです。
うさぎは、かめに勝つことに “ 意識が捕まってしまっている ” 時点で、すでに負けていました。
相手に意識がある時点で、相手にコントロールされているようなものだからです。
また、たとえ勝ったとしても、上には上がいるので、キリがないからです。
もちろん、誰かと競うことで、自分の成長を実感できることもあります。
そのときに、「達成感」を得られることもあります。
しかし、気をつけないといけないのが、それが「優越感」になっていないかということです。
相手に勝ったときに感じているのは、優越感かもしれません。
正の感情と、負の感情は、表裏一体だからです。
正の感情よりも、負の感情のエネルギーの方が、私たちを引きつける力が “ 強い ” ので、感情にのまれてしまうと、負の感情に支配されていることすら気づけないことがあります。
負の感情の方にズレていることに気づいたら、その都度、真ん中に “ 戻す ” をしていくことで、自分の感情にのまれないですむような気がしています。
そのためには、“ 真ん中を知る ” ことが、大事です。
知らないものには、意識を向けられないからです。
「真ん中」とは、自分の基準です。
自分が「何を大切にしていきたいのか」を知っていくことで、だんだんと軸ができていきます。
軸を持つことで、どんなにズレても「気づくことができる」ように思います。
何か、規律のような「固定されているもの」がないと、ズレていることすら気づけないからです。
大切なのは、その規律を、「誰か」が決めたものではなく、「自分で」決めたものにしていくということです。
「負の感情」にのまれると、隣ばかりが気になるようになっています。
「真ん中」にいることで、ゴールを見ることを忘れないですみます。
ちなみに、もしウサギが、カメばかりを見ずに、ゴールだけを見ていたら、きっと、とんでもないところまで行けていたのでしょう。
気にしないといけないのは、相対的な「隣」ではなく、絶対的な「自分のたいせつなもの」です。
“ 自分が見ているものは、相手なのか、ゴールなのか? ” をいつも忘れないようにしたいと感じています。