「変えられないこと」を変えようとして、それができないと、自分に「無力感」を抱きます。
「変えられること」だけに集中して、自分の意思でそれを変えられた時、「自信」となります。
自分のコントロールで影響を及ぼせるのは、せいぜい自分の所有しているものや部屋のレイアウトくらいで、周囲の環境は変えられません。
もちろん、他人も変えられません。
他人を動かすには、その人自身が自分からそうしたくなるような気を起こさせない限り、単なる命令や指図となってしまい、反感を持たれるだけです。
周囲の環境や他人は「変えられない」ということが前提です。
それなのに、変わることを願ったり、変わらないことに文句や愚痴を言ったり、無理やり変えようとするから、自分の思い通りにならない現実に「無力感」を感じてしまうのです。
本当は、自分が無力なのではなく、周囲の環境や他人はコントロールできないので、思い通りにならないのは当然なのです。
人生が困難なのではない。
あなたが人生を困難にしているのだ。
人生はきわめてシンプルである。
アルフレッド・アドラー
では、環境や他人を変えられないとしたら、どうすればよいのでしょうか?
それは、いたってシンプルで、自分の力で変えられるものだけに意識を集中させて、それを変えるのです。
変えられるものは、「自分」だけです。
つまり、自分の解釈を変えるのです。
愚痴や不満を言うのではなく、自分にとって心地のいい方法を「考える」ということです。
すべての物事には、必ず二面性があります。
どんなことでも、良い面と悪い面を併せ持っています。
この世に、絶対正しいことなんて一つもありません。
それは何を基準にして判断しているのかという見方次第なので、正解にもなりうるし、間違いにもなりうるからです。
ですので、他人の意見に対して、真っ向から否定したり、非難してもいけません。
必ずその人にとっての「正義」や「言い分」があるはずです。
「他人の考え」も「自分の考え」も両方とも尊重し、自分が唯一変えることのできる「自分の解釈」を書き換えて、自分を周囲と調和させられた時、それは自分が現実をコントロールできているという「自信」となっていきます。