老後になってから「さぁ、筋肉を鍛えよう!」と思っても、急に筋肉はついてくれません。
筋トレを先延ばしにしていると、いざ始めようと思った時には、「足腰が痛いから・・・」「体がすっかり硬くなって動かしにくいから・・・」と、ますます先延ばしになっていきます。
大好きな散歩や旅行を、何歳になっても元気に楽しむには、サルコペニアになる前に、筋トレを “ すでに始めている ” 必要があります。
「自分の年齢では、まだ大丈夫だろう・・・」の油断が、あっという間に、筋力低下によるあらゆる不調の原因となって、現象化してしまいます。
筋力低下によって起きるリスクには、
- 太ももが上がらなくなって、転びやすくなる
- 体力がないため、病気も治りにくくなる
- 筋ポンプの力が弱まって血流が滞り、体が冷えやすくなる(体温低下によって、免疫力も下がる)
- 骨粗しょう症のリスクが高まる
- 糖尿病や高血圧症などの生活習慣病にかかりやすくなる
- 基礎代謝量が下がることで、実年齢よりも老けて見えて、中年太りしやすくなる
- 疲れやすくなるだけでなく、疲れが取れにくくもなる
- 眠りが浅くなり、睡眠の質が低下する
- 認知症のリスクが高まる(脳を鍛えるには、運動!)
- 憂鬱になりやすくなる
と、いわれています。
筋肉が落ちることには、デメリットしかありません。
“ 適切な筋肉量を「維持」すること ” は、それほど大事です。
何もしないと、同じ筋肉量を「維持」すらできません。
そして、欲しいからといって「今日さっそく筋トレして、明日になったら筋肉ができていた!」なんて、奇跡は起きません。
植物の成長のように、毎日見ていても、伸びているのか伸びていないのか、昨日と今日の「変化」を認識できないけれど、確実に、少しずつ、細胞が増えていくのと同じです。
筋肉も、昨日と今日の筋肉量の「変化」を認識することはできなくても、確実に、鍛えられていっています。
それが実感できるのは、“ あとになってから ” 。
その変化のない期間に、どれだけ「継続」という作業を、し続けられるかがすべてです。
なぜなら、その変化のない期間に、飽きて、やめてしまうのが人間のサガだからです。
若々しく、元気な人は、ほどよく筋肉がついています。
とくに、腹部のインナーマッスルは、天然のコルセット。
美しい姿勢も、筋肉によって保たれます。
また、筋肉を鍛えることで分泌される「マイオカイン」というホルモンによって、慢性炎症への効果も期待できるそうです。
慢性炎症は、がんのリスクにつながります。
たしかに、筋肉は、たとえ80歳でも、90歳でも、何歳からでも増やすことはできますが、元気に動けるうちに、早く始めるに越したことはありません。
では、いつから、「筋トレ」を始めるのか?
もちろん、“ 今日から!” です。
ポッコリお腹、丸まった背中、たるんだお尻や二の腕によって、おばさん体型・おじさん体型にならならないためにも、健康寿命を延ばすためにも、体幹を意識しながら筋肉量を鍛えて、維持していくことを大切に感じています。