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「よく噛まない」危険性と、「よく噛む」必要性

なぜ、それほどまでに「よく噛んで食べること」が重要なのでしょうか。

「よく噛まないこと」のリスクを知ることで、よく噛むことの必要性が見えてきます。

「唾液」が正常に分泌しない

よく噛むことで唾液腺が刺激されて、唾液が正常に分泌します。

唾液の分泌が少ないと、歯にプラーク(歯垢)が溜まりやすくなるので虫歯や歯周病の原因をつくっていることになります。

他にも、唾液には重要な働きがたくさんあります。

  • 唾液に含まれるアミラーゼという酵素が消化を助けるので胃の負担が軽減する
  • 細菌やウイルスの増殖を抑制
  • 酸を中和する作用
  • 歯の再石灰化作用
  • 唾液に含まれるペルオキシダーゼという酵素が活性酸素を抑える

などです。

よく噛まないことで唾液の分泌が減り、虫歯が進んでしまうと痛くて余計に噛まなくなるので、さらに唾液の分泌が減るという悪循環になりかねません。

「表情筋」や「咀嚼筋」をあまり動かさなくなる

よく噛まないということは、噛むための筋肉をあまり使わないということです。

筋肉は、使わないとますます衰えます。

そして、

  • 顎関節症
  • 表情筋がたるんで、ほうれい線ができやすくなる
  • 二重あごになりやすい

などの現象が起きやすくなります。

「舌の筋肉」が弱る

舌は筋肉です。

柔らかいものばかり食べたり、よく噛まない食事を続けると、舌をあまり動かさなくなるので「舌の筋肉」が弱ります。

すると、堅いものをしっかり噛めなくなり、さらに咀嚼力が落ちていくという悪循環になってしまいます。

また、舌の筋肉が衰えると飲み込みにくくなるので、上あごや喉の奥に食べ物が残ってしまうことがあります。

それが間違って気管に入ってしまう誤嚥にもつながるので、よく噛んで舌をしっかり動かして、「舌の運動機能を維持する」ことがとても大切なのです。

「よく噛む」ために

  1. 口の中に食べ物を運んだら
  2. 味の変化を楽しみながら最低30回はよく噛み
  3. しっかり唾液を出して
  4. 細かくしたところを舌の力を使ってきちんと飲み込む

それまでは、次の食べ物を口に入れないような「」をつけていきます。

また、

  • 野菜を大きめに切る
  • 歯ごたえのある食材を食べる

ことでも、自然と噛む回数が 増えます。

おすすめは、玄米です。

健康に良いだけでなく、しっかり噛む癖がつきます。

白米は柔らかいので、たくさん噛むのは難しいですが、玄米だと 一口100回噛むことができます。

よく噛むことで、顎の筋肉が動かされることにより脳神経の刺激にもなりますし、リズム運動によるセロトニン(眠気を誘うメラトニンの原料)の分泌の促進にもつながります。

呼吸と同じく、「噛むこと」は意識しなくても誰でもできますが、「正しく噛むこと」となると、そうしようと思わなければなかなかできません。

「よく噛まないことのリスク」を知ることで、幾度となく聞いてきたこの「よく噛む」を生活習慣の一部として、真剣に取り入れていくことの必要性を改めて感じます。