どんなに不機嫌な人でも、ひとたび おいしいものを食べれば、たちまちご機嫌になってしまう。
よく、
- 男の胃袋をつかむ
- 機嫌が悪い妻には、甘いスイーツを買って帰る
などと、言われます。
どうやら、男も女も関係なく、“ おいしいもの ” によって、感情はコントロールされてしまうようです。
「おいしいもの」のもつパワーは、偉大です。
いったいなぜ、こんなにも「おいしいもの」には、人の機嫌を変えてしまう力があるのでしょうか?
それは、ドーパミンです。
ドーパミンという、「おいしいもの」によって分泌される脳内物質が、人の機嫌を変える力をもっているのです。
脳内物質が「感情」をつくるので、脳内物質によって、人の機嫌はコントロールされます。
つまり、快楽物質であるドーパミンが、私たちに「おいしい幸せ」を感じさせてくれているのです。
前回の記事では、「翌日の晩ごはん」を前日に決めて、「明日の楽しみをつくる」という内容を綴りました。
まさに、このドーパミンの作用を利用しています。
人間は、“「食べたいもの」を待っている間が「楽しみ」” だからです。
“「食べたいもの」が未来で自分を待っている状態 ”を自分でつくることによって、ドーパミンの作用を利用し、翌日の朝から「楽しい気分」をつくりだします。
さらに、夜に「食べたいもの」を食べるときには、もう一度ドーパミンの作用によって幸福感に浸れるという、ドーパミンの二度使いです。
それを、きちんと “ 自分のコントロールの監視下 ”で行うので、自己コントロール感も高まり、日常のちょっとした一コマから充実感も得られるということでした。
ここで、注意しないといけないことがあります。
それは、「エンプティカロリー食品」と言われているジャンクフードや、インスタント食品などです。
エンプティカロリー食品とは、カロリーは「ある」のに、栄養が「ない」食品です。
しかも、強い「依存性」も相まって、栄養が空っぽの食品だと分かっているのに、もっと食べたくなってしまいます。
カロリーだけは、しっかり摂れていきます。
しかし、栄養はほとんど摂れません。
たくさん食べているはずなのに栄養が摂れないという状態に、体は混乱します。
そこで何が起きるかというと、必要な栄養を摂るための、“ さらに食べる ” が必要になってしまうのです。
体の機能を維持するためには、栄養が必要なので、たとえカロリーは十分とれていても、体は「まだ栄養がたりてないよ!」と、食欲でアピールしてきます。
こうして、栄養はなんとか摂れたとしても、今度は食べ過ぎによって、臓器は消化活動に疲弊してしまい悲鳴をあげます。
そこで体は、臓器が限界に達する前に、何かしらの「体の不調」という “ 現象化 ” によって、今の生活習慣を変えてもらうためのメッセージを送ります。
体にとって必要な栄養を十分に摂れていれば、体は満足してくれて、適正な食欲に保てます。
その、栄養バランスのコントロールを担ってくれるのが、「晩ごはんのメニュー」を、“ 前日の夜にゆっくり考える ” という習慣です。
何も決めないでスーパーに行くと、いろんな誘惑が私たちを待っています。
- お菓子の特売品
- 値引きされたお惣菜
- おいしそうな焼きたてパン
- カップラーメンの新商品
- 季節限定スイーツ・・・
店内をウロウロすればするほど、買い物カゴの中がそれらの食品で溢れていきます。
ところが、「栄養」の面でカゴの中を見てみると・・・、ほとんどありません。
その代わり、「カロリー」だけは、しっかりあります。
このままレジに並ぶと、余分なカロリー摂取と、余分な出費が確定します。
大切なのは、それらが、自己コントロールによって行われているかどうかです。
ご褒美スイーツも、事前に予定して「自分で決めていたこと」であれば、しあわせの感覚も感じられる上に、自己コントロール感も得られます。

“ 衝動に流されない ” ので、必要なときに、必要なものを手に取ることができます。
エンプティカロリー食品は、自分のコントロールの下で楽しむようにする。
自己コントロール感を鍛えていくことで、どんなに美味しくても、エンプティカロリー食品の誘惑に翻弄されないように、気をつけていきたいと感じています。