誰しも子供のときは、好奇心や探求心をもっている。
動く昆虫に興味をそそられて捕まえるのに夢中になったり、なぜかピカピカの泥だんごをつくることが楽しかったりする。
そして、宇宙の果てはどうなっているのだろうか、世界はどこから来たのか、など大人を困らせるような答えのない質問をしてくる。
しかし、大人になると、それらがなくなる。
それは、大人になる過程で備わった知識と経験から「あたりまえ」になってしまったから。
人は「あたりまえのこと」に対しては、考えなくなる。
常識や固定観念となってしまい、不思議に思ったり、疑問を感じたりしなくなる。
そんな大人の凝り固まった感覚を解きほぐしてくれるのが子供の純粋な問いかけだ。
「地球は丸いのに、なぜ道路はまっすぐに見えるの?」
あるラジオ番組でこんなかわいい質問が飛び出した。
この問いから気づかされたことは、近くで見ているものは、本質が見えていないということだった。
見る距離が近すぎると、道路が曲がってることを実感することができない。
しかし、遠く離れて宇宙から地球を見れば、もちろん道路は曲っていることが分かる。
近くで道路を見ているから「まっすぐに見えているだけ」という錯覚にすぎない。
ものごとは、近視眼的な見方だと、本質を捉えることができない。
とは言っても、逆に離れすぎると、小さくて大切なことが見えなくなってしまう。
短期的な時間軸で、部分的に見ることも、長期的な時間軸で、離れた視点から全体を眺めることも、両方とも大事。
ものごとを判断するときに、視点の距離を様々に動かして、多角的に見る癖をつけておきたい。
いくつになっても好奇心と探求心を持ち続けて、世の中の不思議に対して「なぜ?」と思う気持ちを大切にしていきたい。
Wonder is the beginning of wisdom. 驚きや疑問に思うことが知恵の第一歩である。
Socrates(ソクラテス)