アニメで例えると、分かりやすいです。
ヒントは、物語の主人公が「どう始まって、どう終わるのか」です。
その主人公を取り巻く環境や、本人の心境が、どのように始まって、どのように完結するか。
たとえば、
- どん底の境遇から始まって、最後にハッピーエンドで終わるストーリー
- 才能にも財にも恵まれている状態からスタートして、不運が重なりいったん一文無しになるけど、途中で何度も挫折を繰り返しながら、本当に大切なことに気づいていくストーリー
- 普通の少年が、大きな夢をもって冒険に出て成長していくストーリー
など、いろんなパターンがあります。
どの話にも、必ず「最初」と「最後」があります。
大切なことは、「その間をつなぐストーリー」です。
アニメーションの作成において、30分の物語をつくるのに3000枚~5000枚の絵が必要だと言われています。
これは、主人公の「最初の状況」と「最後の状況」をつなぐために必要な枚数です。
ハッピーエンドの物語でいうと、その膨大な絵の枚数の中で、主人公はどん底の状況をスタート地点として、いろいろ動いて、いろんな行動を経て、ハッピーエンドの状況に辿り着きます。
ここで重要なのは、絵の枚数が十分でないと物語は進まないということです。
絵の枚数づくりがなかなか進まなかったり、途中でやめてしまうと、主人公が動かないのでハッピーエンドに辿り着けません。
主人公が動くことによる「膨大な行動のつなぎあわせ」があるからハッピーエンドにつながるのです。
これを私たちの人生に置き換えてみると、
アニメの「最初の状況」→ 私たちの「今の現状」
アニメの「最後の状況」→ 私たちの「望む未来」
です。
「今の現状」と「望む未来」をつないでいるのは、その間にあるストーリーの「膨大な絵の枚数」です。
話と話をつなげるためには、そのように「必要な絵の枚数」というものがあります。
つまり、ストーリーをつなげるためには「必要な行動量」というものがあり、膨大な行動の1つ1つがつながることによって望む未来に辿り着くのです。
行動がなかなか進まなかったり、途中でやめてしまうと、自分が動かないので望む未来に辿り着けません。
人生は、ある状況とある状況をつなぐ膨大な作画づくりです。
ひたすら「『行動』という絵を1枚1枚つくっていく」ということです。
そして、人間の脳は、どんなストーリーでも想像してつくることができる天才です。
このシチュエーションからこの状態にもっていくというような斬新な展開を考えるのはお手の物です。
つまり、最初と最後の場面さえ決まったら、あとは、その間のストーリーを考えて、絵の枚数をひたすらつくっていきます。
綿密なストーリーや、どんでん返しのあるストーリーほど、つくらなければならない絵の枚数は多くなるかもしれません。
でも、必要な絵の枚数さえ揃えば、ゴールに辿り着けます。
なぜなら、「必ずゴールに辿り着くようなストーリーを考えて、そういう絵をつくっているから」です。
人生も同じで、私たちのすべきことは、望む未来を明確にして、そこに辿り着くためのストーリーを考えて、絵の枚数を増やしていくこと、つまり行動という1ページをひたすらつくっていくことです。
「今の現状」と「望む未来」をつなぐのは、脳によるストーリーづくりと、体による行動の積み重ねです。
これは、人間が秘めている大きな力の一つだと思っています。