人は、聞きなれた懐かしい曲を聞くと、その当時の情景や感情がすぐさま蘇り、一瞬でノスタルジックな気分になります。
「メンタル・タイムトラベル」というそうですが、本当に不思議です。
聴覚で受ける刺激は、個人的な特定の出来事に紐づけされやすいのだとか。
好きな人と一緒に昔よく聞いた曲なら、まだお互いの心が完全に打ち解け合う前の、甘酸っぱくもあり、切なくもあるような、初々しい気持ちが呼び起されたりします。
どちらにしても、何かしらの感情が湧いているときに、その曲を「何度も聞く」ことで、より鮮明に情景と感情がセットで記憶に残っているような気がします。
たとえば、クリスマスソングは、約一カ月の長丁場で、いたるところで何度も聞かされるので、どうしても耳に残ります。
そして、クリスマスの時期に感じた強い感情の一つとしては、やはり子供の頃のサンタクロースを心待ちにする気持ちです。
サンタクロースがやって来るの信じてワクワクしながら待っていた24日の夜。
うっかり寝てしまって、翌朝に慌てて起きて枕元を見ると、綺麗な包み紙に大きなリボンでラッピングされた箱が目に入ります。
それを見た時の、体の底から込み上げるような嬉しさは今でも覚えています。
あの頃に感じたクリスマスの喜びと、クリスマスソングは切っても切れません。
もう一つ、私にとって強い感情を伴うクリスマスソングと言えば、冬のシーズンに行くディズニーランドやUSJなどのテーマパークのBGMです。
一日中、パーク内で流れて、何度も聞いているからです。
曲とともに思い出されるのは、
マフラーと手袋にしっかり身を包んだ、冬の寒さの肌感覚。
ツリーや飾りつけなど、赤と緑のクリスマス一色の景色。
そして、ミッキーやミニーたちに囲まれて、夢の世界にいるような非日常感。
これらの情景と感情が、クリスマスソングが流れると、一気に蘇ります。
そんなクリスマスソングの中で、私が一番好きな曲は、『そりすべり(Sleigh Ride)』です。
私は、なぜかこの曲が聞こえてくると、これから何か楽しいことが始まるような、心が浮き立つ気分になるのです。
とくに、こちらの動画の歌詞の日本語訳がお気に入りです。
そして、このフレーズが大好きです。
頬がバラ色になってきて
君といると暖かくて楽しくなってきた
寄り添って暖めあおう
鳥たちの羽のように
歌詞の内容を想像しながら聞くと、小鳥たちが羽で暖め合っている様子が浮かんで、心がほんわかと幸せな気持ちになります。
さらに、このフレーズ。
お金では買えない幸せな気分があるの
チョコレートやカボチャパイを食べるたびに感じるわ
カリアー&アイブスの絵のよう
素晴らしいものは素晴らしいまま
一生忘れることはないでしょう
私も、大福を食べているときは、いつもこの上ない幸せな気分になります。
手に持った大福の柔らかさ、噛んでモチーっと伸びる感覚、ほどよい甘みと塩味・・・
食べ終わったあとは「幸せな時間をありがとう」という感動に満たされます。
そうやって、しあわせの記憶貯金をしていくようにしています。
「自分が幸せな気分になるのは、どんなときか?」をしっかり分かっておくことは、本当に大切だなと感じます。
なぜなら、素晴らしいものは、私たちに何度でも素晴らしい気分を与えてくれるからです。