
もし、地球上の全員がそれぞれの年齢の役を演じている役者だとして、これからの10年間は新しい地球ドラマをつくるので、みんな好きな年齢を選べて実際にその年齢の体と脳になり、その年齢の暮らしを演じられるとしたら、何歳を選ぶだろうか。
一番人気は、誰もが憧れている20代の役だろう。
早く大人になりたいと願う子供たちも、イメージとして抱いているのは20代くらいの自由な大人ではないだろうか。
おそらく、早くおじいちゃんやおばあちゃんになりたいと願っているわけではないだろう。
そして、やっと20代の大人になれた子供たちは、その後、アラサー、アラフォー、アラフィフという言葉が定着するほど、次の大台が近づいてくることに対してなぜか気構えてしまい、憧れの20代が過ぎ去ってしまうことに寂しさを感じる。
しかし、いくら20代の役に人気があるからといって、地球上の全員が20代の役を選んでしまったら、まったく面白くないドラマになるだろう。
この地球ドラマには、それぞれの年齢の役がどうしても必要なのだ。
そして、その年齢の役を演じるには、その年齢にふさわしい知識と経験を必要とする。
その年齢の役ができるのは、その月日を費やして得たものをもつ人だけなのだ。
「3年という月日の中で育った好奇心から、自分は魔法が使えると信じる3歳の女の子」
「15年という月日の中で高ぶった感情から、甘酸っぱい恋を知る思春期の15歳の男の子」
「20年という月日の中で湧いた希望から、可能性は無限大だと心に野望を持ち社会に飛び出す20歳の青年」
「60年という月日の中で、社会の荒波にもまれて知識も経験も人格もダイヤモンドのように磨き上げられた60歳の紳士」
「90年という月日の中で培った感性で、夢を追い続けながら日々の暮らしに微笑みと遊び心を絶やさない90歳の淑女」
この世界には、0歳から100歳を超える人まで、いろんな年齢の人がいる。
その年齢には、その年齢の、大切な役目がある。
だからこそ、最高の役目を、人はそれぞれの年齢で果たしていく。