一言でいうと、エリートは誰もが分かっている「基本が大事」を誰よりも愚直に、誰もできないくらい徹底して、あたりまえにできているということです。
「基本が大事」
多くの人が知っています。
ただ、それを本当に徹底的にあたりまえにできている人は、確かに少ないのかもしれません。
例えば、つい時間に遅れてしまう、アイロンをかけていない、資料の端が揃っていない、名前を覚えていない。
これらのことは、できていなくても、仕事に重大な影響を与えるような問題ではありません。
しかし、この小さな「基本」のかけらが積み重なった時に大きな差となって表れていきます。
この差とは、基本を守るための思考の差です。
エリートたちは、どのような思考、価値観、ルールをもっているのでしょうか?
以下、 本書『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?戸塚隆将/著』を読んで得た学びや気づきの一部と、自分なりの解釈も交えての感想です。
彼らは当然、主体的
従属的に具体的な指示を待つのではなく、自分の頭で考えます。
仕事を引き受ける際にも、指示者と完成イメージを共有し方向性を確認しようとします。
そして、5分間だけすぐに取り掛かってみます。
この作業によって、最初に確認しておくべき初歩的な疑問点をすぐに解消できます。
彼らには、余裕がある
相手を優先する
自分のことで精一杯にならずに、相手に譲る心の余裕、行動の余裕をもっています。
自分を優先するのか他人を優先するのかという気持ちは、必ず相手に伝わってしまいます。
譲ってくれたと相手が感じれば感謝され、譲り返そうとします。
それが思いやりとなって良好なサイクルが回り始めます。
「すみません」より「ありがとう」をたくさん使う
感謝の意味合いで「すみません」を使いません。
言われる側も、「すみません」より「ありがとう」の方が気持ちいいです。
彼らは、効率を常に考えている
朝の時間はアイデアの宝庫
朝一でメールのチェックをせずに、朝の時間には頭を使う仕事をします。
特に朝一の頭が一番冴えている時間を作業的な仕事に使いません。
常に優先順位を意識する
タスクを順番にこなそうとすると仕事に追われてギリギリになりやすいですので、常に逆算して優先順位を把握します。
さらに帰宅前には机の上の資料やファイルを整理整頓し、翌日の仕事の優先順位を考えてから席をたつそうです。
そうすることで、やりかけの仕事に追われずに、効率的にこなしていくことができます。
彼らは、時間を決して甘くみない
時間を絶対に守るということを徹底しています。
つい5分~10分遅刻してしまうのは、甘えに他なりません。
彼らは、「基本」を守る考え方をしている
私たちは子供の時から「基本が大事」という言葉を何度聞かされてきたことでしょか。
それによって、「 基本 = 言われたからする、しなければならない 」と捉えていませんか?
彼らは、そこに「なぜ?」を加えます。
そうすると、「基本」は、言われたからするのでも、しなければならないことでもなく、「したい」と思えることに変わります。
成功する人とそうでない人は、使っている語彙が異なっているのです。
エリートになったから基本を守れるような考え方ができるようになるのではなく、基本の捉え方が彼らをエリートたらしめる所以なのではないかと思います。
「どうしてこうしてくれないのか文句を言う」よりも「どうしたらうまくいくか考える」方が良い結果につながります。
「こうしてくれたらいいのに」よりも「こうしてみよう、こうしたい」と思う方が、自分の成長につながります。
なぜ、「基本」が大事なのでしょうか?
それは「基本」が、「規律」や「潤滑油」になるからだと私は思います。
基本の軌道があることで、軌道からズレた時にそれをすぐに把握できます。
それにより、すぐに修正できて、元の正しい軌道に戻ることができます。
もし、軌道がないと、一つでも何か乱れ始めると、何も基準がないので何がズレているのか分からないまま、様々なところに乱れが伝播していきます。
しかも、そのことに気づかないかもしれませんし、目の前のことに意識が向きすぎて全体をとらえる余裕もなくなってしまいます。
人間は、決断の数が多いほど脳がエネルギーを使うので疲れやすいといいます。
そこに、基準があれば、まずは条件反射でそれにあてはめるので余計なエネルギーを消費しません。
脳はルーティンが好きです。
脳は毎日していることを大事なことだと認識します。
ここで大切なのは、「毎日する」です。
たまにするだけでは、いつまでたっても、「やらなければならないと分かっているけどできない」ことのままです。
基本を毎日することで脳が大事なことだと認識して体で覚えてくれれば、気づいた時にはそれがコンフォートゾーンとなり、基本からズレたことをすることの方が違和感を感じるようになります。
その「自己規律」をエリートはもっているのです。
そしてこの基本を守るための思考そのものが、彼らの仕事の流儀となって、能率、質、成果をスパイラル的に生み出していくのだと思います。