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「季語」を手紙や会話に使うと上品な印象に。日常生活にも彩りと深みが増す。

最近、「一日一季語」の音読をしています。

季節の移り変わりの繊細な変化が込められた、季節の「言葉による表現」を知ることで、自然が織りなす美しさ、儚さ、切なさ、侘しさ、寂しさの情緒が、感覚によみがえってきます。

季語とされている「ことば」は、辞書に載っているような単なる定義ではなく、五感に訴えかけてくるような生きた意味合いが含まれていると感じています。

私にとっては、季語は、古来より日本人が自然の美しさを忘れないように、また、変化が常である諸行無常のこの世界でも、なんとかこの美しい情緒あふれる一瞬を残したいという思いの詰まった言葉の結晶のように思えるのです。

今まで知らなかった「新しい言葉」を知ることで、見える世界が広がります

脳が認識できる枠が増えるからです。

そこで、私はもっと季語を知りたくて、『美しい日本の季語―365日で味わう 金子兜太/著』を毎日ひとつずつ音読するようになりました。

一日一季語が1ページずつ365日分掲載されているので、その日の季節に合う季語に触れられるのが特徴です。

ですので、言葉のもつ意味合いを知るとともに、ちょうど今の季節に照らし合わせて肌感覚でも楽しめるところが気に入りました。

さらに、季語を声に出すことで、音の「響き」も楽しむことができます。

日本語には、母音の響きによる「音の美しさ」があります。

世界でも稀な、この「母音中心」の日本語は、海外の方からすると、優しくて柔らかくて聞き心地のよい音に聞こえるそうです。

母音を丁寧に響かせて、一音一音をゆっくり声に出して読むことで、心地よく音が流れて、和の響きを体で楽しむことができます。

この本には、1日1ページごとに、「季語」「説明」「季語を使った俳句」が掲載されています。

俳句を読むときは、言葉の「余白」や「間」のゆったり感が、母音の響きと相まって、より心を落ち着かせてくれます。

そして、『ゆっくり話す』ほうが、優しく聞こえますので、母音をきちんと発音する癖をつけることは、普段の話し方も丁寧になり、早口にならないですみそうです。

また、普段使う言葉の中に 美しい季語を さりげなく取り入れることで、手紙や会話に奥行きが出て上品さも感じられるし、日常生活も彩っていくような気がしています。

私は、「一日一季語」を毎朝の日課にしてから、今日覚えた季語の風景を探したくなるので、散歩がさらに楽しくなりました。