感想『はながさくころに 芭蕉みどり/作・絵』

絵本は子供だけでなく大人をも素敵な空想の世界にいざなってくれます。

その絵本の中にお気に入りの絵があると、読み返すたびに心ときめく瞬間も味わえます。

この絵本「はながさくころに」は、芭蕉みどりさんの 「ティモシーとサラの絵本」シリーズ の中の作品で、花の絵がとてもかわいいです。

物語は、子ねずみのティモシーが、病気がちでいつもベッドで過ごしているミリーのために、ミリーのベッドの横にある窓のすぐ下に花壇をつくることを思いつくところからスタートします。

外で遊べないミリーが楽しめる方法をずっと考えていたのでした。

窓の下に花いっぱいの花壇があれば、ベッドにいながらいつでも楽しめます。

そのアイデアを思いついた時のティモシーの表情の、花がパッと開いたような無垢な表情がかわいくて一気に物語に引き込まれます。

ミリーを喜ばせたい一心で、意気揚々と花壇づくりをしていたティモシーですが、花壇が窓の下にあることで、もうミリーのそばに近づけなくなったことに後から気づきます。

それまでは、ティモシーとミリーは窓越しにいつも会話を楽しんでいたのでした。

ミリーと近くでお話ができなくなってしまったことにティモシーのしょんぼりする様子が愛おしくてたまりません。

私は、ミリーがティモシーのつくった花壇を窓から眺めながら

「わたし、ちいさな じょうろで まどから おみずを あげよう。まいにち めが でるのを たのしみに まつわ」

「そうだ! めが でたら、ずっとかんさつにっきを つけようかしら。パパが がいこくから おくってくれた きれいな ノートに」

出典:はながさくころに 芭蕉みどり/著

と、胸を膨らませて空想の世界を繰り広げるシーンが大好きです。

背景のところどころに散りばめられている花々や、ミリーの部屋のカーテンに描かれている白いマーガレットの絵も私のお気に入りです。

「はながさくころに」を読むと、芭蕉みどりさんの花の絵に気持ちが弾み、ティモシーとミリーの純真無垢な心にキュンとします。

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