最近、玄米の魅力に 取り憑かれています。
それまでは、玄米は完全栄養食で健康にいいとは分かっていても、匂いが気になったり、モソモソする食感が苦手だったので、白米に「ぬか玄」をかけることで 栄養の補完をしていました。
しかし、無農薬で質の良い玄米を選び、さらに一口100回噛むようになってからは、今までの玄米の印象が ガラッと変わりました。
白米はやわらかいので、100回も噛み続けるのは難しいですが、玄米なら可能です。
そして、噛めば噛むほど、ほんのり甘くなっていくのです。
これは、唾液から分泌される消化酵素によって、お米のでんぷんが甘味成分に変化するからです。
この唾液に含まれる消化酵素は、よく噛むことによって、たくさん分泌されます。
ですので、噛めば噛むほど でんぷんが分解されて、口の中に甘みが広がってゆくのです。
甘いとは言っても、当然ながら砂糖のような甘さではなく、麦芽糖のような 素朴な甘さです。
良く噛むことによって、美味しさを味わえて、なおかつ 消化酵素の分泌によって胃腸の負担も軽減してくれます。
さらに、噛む回数が多くなるほど、満腹中枢が刺激されて、少量で満足できるようになるので、内臓疲労を防止します。
玄米は、しっかり水に浸す必要があるので、炊くまでに手間と時間がかかります。
ところが、一度この美味しさを知ると、その手間暇が苦にならないくらい、毎日の玄米食が楽しみになりました。
丁寧にしっかりと水に浸して、小さくて茶色だった玄米が、次の日には白っぽくなってプックリ膨らんでいるのを見ると、なぜか「ありがとう」と気持ちがこみ上がります。
炊いている間は、炊飯器から立ち込める玄米のいい香りに、食欲がそそられます。
そうして、ふっくらと炊き上がった玄米の上に、「塩」と「黒ゴマ」をパラパラと振ります。
さらに、仕上げの調味料として、100回噛むにつれて分泌される「消化酵素のアミラーゼ」が加わることで、ほんのり甘くて美味しい玄米本来の味を 楽しめます。
あえて表現するならば、味に会いに行く感じです。
たいていの料理は、口に入れたその瞬間から 味が向こうからやって来るので、そんなに噛まなくても美味しくいただけます。
玄米だと、その場合、せっかくの美味しさを素通りしてしまいます。
こちらから出向いて行かないと 出会えないのが、お米の甘みです。
塩、黒ゴマ、玄米の甘みが織りなす美味は、毎日食べても飽きません。
ちなみに、塩は、精製塩ではなく、ミネラルが豊富のこちらの自然塩を使うようにしています。
このクリスタル岩塩のうまみが、黒ごまの風味と、玄米の甘みを引き立てるので、他の塩を使っても、結局この塩に戻ってきてしまいます。
ところで、玄米は、白米では削り取っている「皮」や「胚芽」も食べるので、農薬が心配です。
やはり、丸ごと食べる食材は、無農薬の方が安心です。
いろいろ試した結果、私が一番好きな玄米は「京の米職人さんの無農薬玄米 ササニシキ 」でした。
ササニシキは、べたつきが少なくサッパリしているので、食べ飽きないです。
京の米職人さんはオーダーメイド方式をとっており、注文してから、三分付き 、五分付き 、七分付きなどの精米度合いが選べるので、より新鮮なお米をいただけます。
もしかしたら、私が玄米の虜になったのも、たまたま出会った京の米職人さんの「良質な玄米」のおかげなのかもしれません。
なぜなら、臭みは感じられず、ほどよい甘みがあり、いい香りとプチプチした食感に、私の今までの玄米のイメージが払拭されたからです。
少し値が張りますが、質の良い玄米だからこそ、しっかりした旨味を感じられたのかもしれません。
そして、たまに気分を変えて白米を食べることもありますが、噛み応えに物足りなさを感じて、また玄米に戻ってきてしまいます。