料理は、理科の実験に似ています。
仕事もそうですが、言われたことだけしていても、何も面白くありません。
ある程度の裁量が与えられた中で、「自ら考え、創造し、実行していくプロセス」におもしろみがあります。
もし、うまくいかなかったり、失敗したら・・・?
“ やり方を変えるだけ ” です。
工夫しながら、別の方法で、また試してみる・・・、その繰り返しです。
「仮説→検証」をひたすら繰り返すうちに、「これだ!」という方法に巡り会えます。
料理も、ある程度の大枠はレシピを参考にして、味付けは自分好みにしていきます。
それはまるで、キッチンが実験室のようです。
味を想像しながら、おそるおそる、少しずつ混ぜてみる。
わたしは料理が苦手なので、それまではずっと「ルー」や「レシピの分量通り」に頼りっきりだったのですが、
- へー!ポトフに、ケチャップを入れたらミネストローネ風になるんだ!
- 中濃ソースやウスターソースやケチャップを使えば、ビーフシチューやハヤシライス風の味にできるんだ!ルーばかり使ってたから知らなかった・・・
- いつもの野菜スープに、ナンプラーとパクチーを加えたら、エスニック風になるんだろうか?
など、驚きと発見で、料理が苦手な私でも楽しくつくれるようになりました。
もちろん、「なんか微妙・・・」もありますが、「これはおいしい!」など、「料理は実験」と考えるようになってから、味の変化に期待し、驚き、喜ぶといった日常の楽しみが増えました。
こうなってくると、市販の “ バニラアイス ” でさえも、味の変化を試さずにはいられなくなりました。
たとえば、バニラアイスに、
- ヨモギの粉末を混ぜて、「濃いめのよもぎアイス」
- おかきを砕いて混ぜて、「塩味の効いたザクザク食感のアイス」
- クッキーを砕いて混ぜて、「クッキーアイス」
- インスタントコーヒーを混ぜて、「コーヒーアイス」
- ラム酒&レーズンを混ぜて、「ラムレーズンアイス」
- クリームチーズを混ぜて、「チーズケーキアイス」
- バナナ&みかんをのせて、「ミックスジュース味のアイス」
- バナナ&りんごをのせて、「シャキシャキ食感のフルーツアイス」
- きな粉を混ぜて、「きな粉アイス」
- 抹茶を混ぜて、「抹茶アイス」
- 塩を振って、「塩バニラアイス」
などにして、口へ運び目を閉じてゆっくり味わうと、まるで「その味のアイス」を買ってきたかのような “ おいしさ ” を味わえることも、私にとっては驚きでした。
とくに、濃いめのよもぎ味のアイスは、ヨモギの香りがふわっと鼻に抜けて、抹茶アイスやほうじ茶アイスに引けを取らないくらいの美味しさです。
なぜ、あまり見かけないのか不思議なくらいです。
「この味を混ぜるとどうなるんだろう?」と思いつくと、試さずにはいられません。
たとえば、
“ たしかに「バニラアイス+バナナ+みかん」は、絶品。それは分かった。じゃあこれに、「生クリーム」を加えて、パンに挟んだらどんな味だろう? ”
と気になったら、“ 明日の楽しみ ” として、「明日のおやつメニュー」のリストに書いて、明日を楽しみに待ちます。
翌日に、生クリームを買ってきて、ホイップして、パンに「バニラアイス+生クリーム+バナナ+みかん」を挟みます。
実際に食べてみると、まさにフルーツサンドやパフェで得られる “ 至福の満足感 ” そのままでした。
「外食費を節約しながら、なおかつ添加物もなるべく減らしながら、おやつを楽しむにはどうしたらいいか?」
など、自分で問いを立て、与えられた条件の中で、工夫しながら、うまくいくまで「仮説→検証を繰り返す」という作業が、仕事や料理に限らず、趣味や習慣づくりに至るまで、日常のあらゆる場面で、大切だなと感じています。