幸せが腸でつくられるとは、いったいどういうことなのでしょうか?
「幸せホルモン」として、セロトニンが知られています。
セロトニンによって、気持ちが落ち着いたり、幸福を感じたりします。
そのセロトニンの生成には、腸内環境がカギをにぎっています。
腸は、脳からの指令を一方的に受けるだけではありません。
腸と脳は双方に、感情の情報を伝達しあっています。
そこで、
- 腸で感情が左右される?
- 腸と脳の不思議な関係とは?
- 腸で幸せ物質を増やすことはできるのか
についてお伝えします。
腸と脳の深い関係とは?
緊張やストレスを感じると、お腹が痛くなることがあります。
また、古代より、心はお腹にあると考えられていました。
感情をあらわすときにも
- 腹の虫がおさまらない
- 腹に一物
- 腹をくくる
- 腹が据わる
- 腹が立つ
- 腸(はらわた)が煮えくり返る
- 断腸の思い
など、腹や腸を使って表現します。
このように、感情とお腹には深い関係があります。
幸せを感じる物質であるセロトニンと腸はどんな関係?
精神を安定させたり、リラックスしたりできるのはセロトニンのおかげです。
では、セロトニンが体内でどのようにできるかというと、
① まず、食べ物からトリプトファンを取り入れます。
② 腸内細菌がトリプトファンから5-HTP(セロトニンの原料)をつくります。
③ セロトニンを合成するときに必要なビタミンも腸内細菌がつくっています。
つまり、セロトニンをつくるために必要な原料が、腸内細菌の活躍で、腸でつくられているのです。
腸と脳はつながっている!
先ほど腸でつくられた5-HTP(セロトニンの原料)が脳へ運ばれます。
そして、太陽光を浴びたりリズム運動をしたりすることで、脳内でセロトニンが合成されるのです。
ですので、腸内環境のバランスが崩れて、腸内細菌がセロトニンの原料をあまりつくらなくなると、セロトニンが不足し、脳ではイライラや不安感がおきやすくなるかもしれません。
反対に、脳がストレスを感じると、腸へ伝達されて、おなかの調子が悪くなったり、食欲がなくなったりします。
このように、腸と脳はお互いに感情の情報をやり取りし合っているのです。
そんな不思議な脳腸相関が私たちの体の中で起きているのです。
幸せをつくる腸にするには?
セロトニンを不足させないようにするためには、トリプトファン(5-HTPの原料)が必要です。
トリプトファンは体内では合成できない必須アミノ酸のうちのひとつなので、食べて摂取しなければなりません。
トリプトファンは、
- バナナ
- 大豆
- 卵
- ヨーグルト
- チーズ
- 肉
- いわし
- ごま
- 雑穀
などに含まれています。
さらに、腸内細菌がトリプトファンから5-HTP(セロトニンの原料)をつくりやすい腸内環境にするために、善玉菌が優位の腸内バランスを維持することが大切です。
こちらの記事をぜひご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事のポイントは、
- 腸で幸せ感情のセロトニンの原料をつくっている
- 腸と脳はつながっていて感情の情報を双方向にやり取りする
- 幸せ物質を不足させないように食生活と腸内環境のバランスに気をつける
- 昼間は太陽の光を浴びてセロトニンをしっかり分泌する
でした。
さらに、セロトニンは、夜になると睡眠を誘うメラトニンになるので、質のよい眠りのためにもセロトニン不足にならないようにしたいものです。